松岡さんが早稲田の学生時代に、お父様が他界されました。
事業家であったためか、死後かなりの借金が残っていた事が判明します。
支払い義務のあるお母様には、とても払い切れる額ではありません。
そして、松岡さんは一念発起します。
まだ学生ですからバイトはできます。
でもそれでは到底払い切れる額ではありません。
そして、松岡さんは、思いがけない挙に出ます。
出社の必要のない歩合制の営業の仕事を2社かけもちし、父親の借金と生活費、そして妹の学費をその営業の歩合でまかなったそうです。
どうして2社のかけもちなのかというと、1社だけでは到底払い切れる額ではなかったためと言いますから、それなりのまとまったお金を松岡さんはコンスタントに毎月支払わなければならなかったのだと思います。
私は長い間、松岡さんという方は若い頃からお金を得るための経済活動等は一切せず、ただひたすら読書に没頭して、芸術と化学を融合した前衛雑誌を仕切れるような、「知の巨人」となられたものだとばかり思っておりました。
1年程前にこの事実を知って以来、私は今でも感動の海に浸っています。
私は松岡さんのサインを頂くため事務所に出向いたとお伝えしましたが、いただいたサインにはこう綴られていました。
新井田君
遊心大空
松岡正剛
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